ぜひ見て欲しい。この名作を。 | 海外から日本のテレビ番組を見よう

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ぜひ見て欲しい。この名作を。

2020年12月4日(金)夜9時~、日本テレビ「金曜ロードSHOW!」にて【こんな夜更けにバナナかよ】が放送されます。
素晴らしい作品です。最高の役者が演じます。
ぜひ、見て欲しい。海外からも。

【こんな夜更けにバナナかよ】とは

渡辺一史により執筆された、ノンフィクション書籍です。描かれたのは、鹿野靖明さんの人生。進行性筋ジストロフィーという難病を抱え、北海道札幌市に在住していた一人の男性です。体を動かすことができないため、24時間体制でのサポートが必要です。でも、鹿野さんが選んだ生き方は、施設での暮らしでもなく、家族との同居でもない、自立。ボランティアの人々に支えられ、日々を生きていた。そんな日常が、生き生きと描かれています。
この作品が素晴らしいのは、障がい者である鹿野さんと介助者との対等な関係が、きちんと描かれていること。もちろんノンフィクションなので、その事実が実際にあったわけなのですが、通常であればある程度オブラートで包み、障がい者を柔らかく描くかもしれないところを、敢えてそのままに、泥臭く描いた。それこそが本来の姿であり、人間関係の本質であり、理想形なのだと知らしめる作品となっています。

作品の映画化について

【こんな夜更けにバナナかよ】が上映されたのは、2018年。鹿野靖明さんを大泉洋さんが演じ、ボランティアを高畑充希さん、その彼氏で医大生を三浦春馬さんが演じています。皆さん演技派として知られた方なので、人間のエゴも素直さも可愛さも、とても上手に演じられていて、驚かされることと思います。
障がい者だから、お世話をしてもらっているのだから、素直で優しく、真面目で聞き分け良くいなくてはならない……なんてことはないのです。嫌なことは嫌だ。欲しいものは欲しい。素直にどん欲に生きて何が悪い。……そう、それでいい。それでこそ、本当の意味で「生きる」ということなのだから。
そんな大事なことに気付かせてくれる、素晴らしい映画となっています。

三浦春馬さん出演の作品です

2020年7月、突然に三浦春馬さんがこの世を去りました。遺書が無かったため、いろいろな憶測を呼びましたが、それはきっと本意ではないでしょう。第三者が何も知らずにあれやこれやと言ったところで、真実に行きつくことはできません。であれば、言う意味はないのです。
【こんな夜更けにバナナかよ】のインタビューにて三浦春馬さんは、「今まで演じてきた中で、一番自分に近い役かもしれない」と話されていました。彼の出演した作品を見て彼を偲ぶこと。彼の素晴らしかった部分に目を向け、心に刻むこと。きっとそれこそが、最大の供養になるのだと思います。

タイトルについて

書籍と映画、両作品のタイトルでもある【こんな夜更けにバナナかよ】は、夜中、突然に「バナナが食べたい!」と言い出した鹿野さんに対し、ボランティアの一人が感じたことから取られています。自由奔放な鹿野さんらしさ、そしてそう素直に思うことのできるボランティアとの良い関係性が表された、とても素敵なタイトルだと感じます。

人は誰しも、自分とは違う人、物、事柄に対して「なぜ?」と思い、距離を感じます。でも、知ることができれば、自然に距離は縮まります。だからこそ、この作品を見て欲しい。そして知って欲しい。さまざまな人と人の距離が、少しでも近づくように。海外からも見られるwebplayerだからこそ、海外からも、ぜひ。